障害児学校部

 

ここでは、障害児学校部が特に重点的に取り組んでいる課題について紹介します。

 

Ⅰ 過大過密が最大の解決課題

 

  特別支援学校には、設置基準がありません。国は、ふつうの小中学校・高校については、1学級の児童生徒数や教員数、校舎や運動場の面積などに関する基準を定めています(>>文科省)。しかし特別支援学校にはその基準が無いのです。そのため特に仙台市内の特別支援学校では、在籍者の増加に学校建設が追い付かず、狭い校舎に多数の児童生徒が詰め込まれ、過大過密な状況になっています。

  障害児学校部は、この過大過密の解消を最優先に取り組んでいます。文科省に対して設置基準の制定を求めているのはもちろんですが、県に対しても仙台市周辺に新しい特別支援学校を設置するように求めています。

 

 

Ⅱ 医療的ケアを必要とする児童生徒への対応

 宮城県では、常に医療的ケアを必要とする児童生徒のために、1997年から訪問看護師の制度を設けてきましたが、高教組や保護者の長年の運動が実って、2011年度からは各校に直接雇用されることになり、6時間勤務のパート雇用(非常勤)ですが、3年かけて全ての特別支援学校に配置することができました。

 ところが2015年度に県教委は、非常勤職員を「3年勤務をもって雇い止めとする」旨の通達を発したため、一部の特別支援学校では看護師が次々と退職することとなり、新しい看護師が見つかるまで保護者が医療的ケアをせざるを得なくなりました。

 こうした医療的ケアの「空白」をなくす施策が必要です。高教組は障害児学校部を中心に、看護師の正規雇用化を求めて取り組んでいます。その結果、県教委は「3年での機械的な雇い止めはしない」方針を示しましたが、根本的な解決には至っていません。

 

 

★2016年度の県教委交渉の報告

 7月13日に県教委に提出した要求書には、特別支援学校の過大過密状態の解消、教育条件の整備、教職員のいのちと健康、身分、賃金、労働条件について盛り込みました。

 8月26日の県教委の回答では、学校新設については進展がありませんでしたが、職場環境の改善について福利課が状況の把握に努めていること、教員採用試験における特別支援枠の実施については検討していることが明らかとなりました。、

 

★2016年度の運動の成果

 ○特別支援枠での採用試験の実施について「検討中」であることを明らかにさせた。